井端設計道場 第45回 2026年10月
DETAIL
いつもありがとうございます。
佐野工務店 四代目の佐野です。
井端設計道場に参加してきました。
いごごちArteの富田さん自邸とSUDOホームさんのモデルハウスを見学させていただきました。
富田さんの自邸は6m角の3階建て。
バルコニーとの繋がり方が私好みで、植栽とデッキと太陽のバランスが素晴らしかった。
デッキは傷んでいたが、イタウバなどのハードウッドを使うと良いのかなと思いつつ、北海道という風土と合うのかは検証が必要。
楽しく暮らしているのが伝わり、よい時間の重ね方をしているのだなと思いました。


SUDOホームさんのモデルハウスは、海が見える傾斜地にに建てられていました。
写真はアプローチ廻りした撮れませんでしたが、ロケーションが活かされた設計で海を眺めながらゆっくりと時間を過ごしたくなります。
基本平屋ですが、ダイニングキッチンが地下に下がるように設けられていて、傾斜地の特性をうまく使われていました。
竣工写真のアルバムも多くあり、地域に長く愛されているのがよくわかります。

今回の課題、、、、
住宅と思いきや、宿泊施設。
ベーカリーカフェも併設とのことで、複合施設になります。
洞爺湖畔近くにある土地。
洞爺湖もインバウンド需要がとてもいいらしい。
敷地面積:約260m2
建ぺい率:80%
容積率:400%
用途地域:商業地域
・ベーカリーカフェは地元野菜などの提供し、宿泊者も利用
・小さな不動産事務所スペースが欲しい(空港レンタカーの無人カウンターのようなもの)
・ホテルとの差別かを図りたく、できれば4部屋以上ほしい
・想定予算7000万円(イメージ)
・車は最低2台駐車
など
掘り下げて話を聞くと、現状はぼんやりとした設定で、何か提案してくれてもよいとのこと。
オーナーは都内に住み、不動産事業を展開されている。
下の写真が課題敷地で中央と右側の建物両方を解体して計画するらしい。
角地だ。
この街角に何を計画するか。
道路も勾配があり、色々と難しさがある。
さてどうするか、、、、。


宿泊施設の形態の細かい指定はなく、民泊1棟貸しのようなイメージだそう。
どのようにすれば流行るか、形状をどのようにすればカッコいいか、、、、、
奇をてらうようなことを考え始めるとだいたい失敗をする。
「設計の基本に住宅がある」、「住宅の設計ができればなんでも設計できる」と井端先生は言う。
そして多くの建築家も設計スキルにおいて住宅が基本だという。
なのであれこれ思考を巡らせたけど、これを思い出し複雑なことを考えずに基本に立ち返ることにした。
そういえば秋山先生にも、「ちょっと変わった課題に出会うとすぐ特別なことをやろうとする。それじゃいかん。」とよく怒られたものだ。

現況がとても窮屈に店舗が建っている。
この街角にゆとりを持たせるだけで街の雰囲気は変わると思い、建物を大きくセットバックしコーナーに樹木を植えることを考える。
施設の構成について、1階に宿泊部屋を設けるイメージがつかずやはり2階に持っていくべきなのだろうなぁと、そしてベイカリーカフェについて調べると、パン屋で総面積の6割がパンを焼くスペースだと知る。
そう考えた時にベーカリーカフェだと中々難しいのではと考え、地産地消食材のレストラン&バーて提案することに決めた。セットバックしたスペースにオープンカフェを設け、奥行きを広げるとよいと考えたのだ。
そして宿泊施設は1棟貸しのではなく、フロア貸しの提案にすることにした。
容積率400%を活かし、ビジネスモデルとして収益を確保できないとダメだからだ。
つまりタワーマンションのように基準階を上に積み上げていくパタンで提案することにした。
基準階の面積を部屋で79m2、バルコンで11.25m2とし、4~5名まで泊まれるようにした。
レンタルサイクルも設置し、湖畔のサイクリングや地域商店の買い出しもできる。
木造でやるなら低層、RC造や鉄骨造でやるならもっと上まで伸ばせる。
法規次第となるが、ギリギリまで高くはせず、街の雰囲気を考えた高さがよいだろう。
そして融資をうけるのであれば、利回りを考え融資期間を長く設定できるRC造のほうがベター。
部屋の間取りは洞爺湖ビューが望める場所にバルコンを設け、あとはシンプルな構成。
キッチン床はタイル張りにし、畳コーナーとベッドルームは小上がりに。
抜けのある方向に窓を設ける。
キッチンにコンロは設置せず、街に出てもらうようにした。
7000万には収まらないが、利回りがしっかりととれる事業計画を立てれば、それを超えた額の融資は通るのではと思う。
不動産をやっているオーナーであれば、運用を含めたより良い提案ができるだろう。

とても疲れたが、稔りある回となった。
井端先生、北海道の皆さま、今月もありがとうございました。
また来月も宜しくお願いします。
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