➌E.1027 @イタリア・フランス・スペイン建築視察2024
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いつもありがとうございます。
佐野工務店 四代目の佐野です。
次は、最も楽しみにしていたものの一つ。
コルビジェがその才能に嫉妬したとも言われる、アイリーン・グレイ設計のE.1027です。
こちらは、アイリーン・グレイの恋人のジャン・バドウィッチと過ごすための別荘。
「ル・コルビジェとアイリーン 追憶のヴィラ」という映画がAmazonプライムでも見れるので、興味のある方は一度見てください。
E.1027を中心に渦巻くノンフィクションの人間模様がとても面白いのだ。
コルビジェの提唱する近代建築の五原則(1.ピロティ、2.屋上庭園、3.自由な平面、4.水平連続窓、5.自由な立面)。
E.1027にもこれを取り入れたとアイリーン・グレイは言うのだが、捉え方がコルビジェと違う。
コルビジェは、5原則は構造や環境に左右されないというが、アイリーン・グレイはそうは思わないという。
また、「住宅は住むための機械である」というコルビジェの言葉に対しては、「住宅は人を包み込む殻」と反論している。形式なんて無意味、生き方が全て。家に心を込めるのよと。
E.1027の所有者のジャン・バドウィッチが亡くなった後にこの建物を友人に購入させたり、すぐ見下ろせる場所に休暇小屋を建ててしまったり、コルビジェのE.1027への執着の強さが見てとれる。
コルビジェが勝手に描いた落書きも残っている。
普通に見れば、素晴らしいロケーションに素晴らしい建築なのだけれど、潜在する葛藤やエネルギーのぶつかり合いを知り、想像するとまた見え方も変わってくる。
アイリーン・グレイのE.1027も素晴らしいが、コルビジェの建築も素晴らしい。
やはり、答えはあるようでない。
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