井端設計道場 第16回 2023年11月(大阪場所)
DETAIL
いつもありがとうございます。
佐野工務店 四代目の佐野です。
先週、井端設計道場に参加してきました。
ホスト工務店は大阪の田中工務店。
初めて北海道以外での開催となりました。
田中工務店は創業142年の老舗で、社長は6代目。(なんと私と同級生)
社長の田中さん、設計の宝川さん、現場の佐和田さんを中心にチームの結束力が高い。
まるで三国志の劉備・関羽・張飛のようだ。
建てている家のスタイルは井端道場での学びを存分に活かしており、随所に先生へのリスペクトが感じられる。
往年のVOLKS HAUS(フォルクスハウス)のように、バランスよく合板を使い経年変化を楽しめる様相が想像できるのもいい。
インナーグリーンとも相性も抜群だ。
合板印字を消さない姿勢は、このスタイルで行くという強い意思表示を感じたのでした。
今回の課題敷地も難易度がとても高い。
条件は以下の通り。
・敷地面積が16.42坪(54.3m2)
・第一種中高層住居専用地域
・建蔽率60%
・容積率160%
北側に林があり、緑を楽しめる半外空間が欲しいとのこと。
間口が4.5mしかなく、奥行きは12.5m。
3階建ての計画となるので、代替進入口や敷地内通路など法規制がかかってくる。
足場のことや設備埋設配管のことも考えて、建物間口3mで設計を進めることに決めたのでした。
これを3時間で設計するのは、かなりハードです。
3m間口の3階建てとなるとプロポーションが縦長になるので、普通に屋根をかけるとどうしても格好が悪くなってしまうように思え、まずそこから練り始める。
↓ラフでイメージをつくる。
大きな壁で空間を挟み込むというイメージ。
(六花亭のバターサンドのように、、、)
1階に水廻りをまとめ半地下に、、、と、スキップフロアの構成に決める。
フラットな階にしてしまうと、どうしても空間を仕切るのに壁ができる。
そうなると視線をストップしてしまい、窮屈な暮らしになってしまうと考えたからだ。
段差で空間を分け、視線を抜く。
1.5階は半外空間で北の緑に開く。
2階は半外空間側にキッチン、道路側にダイニング。
ダイニングは天井をあげ、ハイサイドライトを入れる。
道路の向かい側はアパートの廊下に面しているので、ルーバーやグレーチングで外側から中を見せない工夫が必要。
2.5階はリビング、3階は収納と3段あがって寝室。
3.5階は子供部屋。
こんな感じにまとめたのでした。
トイレが1階のみで最上階からは遠いが、実際は取捨選択で決めればよいと思う。
構造については短辺方向の外壁は全て窓。
ブレースなどで耐力をとればよいと考えたが、もしかしたら足りないかもしれない。
スキップフロアなので、構造計算は通常通りにはいかない。
先生にはこれは壁式のRC造かなぁと講評いただいたが、まさにそのようなイメージもはまります。
今回も大変勉強になりました。
田中工務店の社長、スタッフの皆様、2日間ありがとうございました。
井端先生も遠征とありがとうございました。
今年の井端道場はこれで最後なので、しっかりと振り返りたいと思います。
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