吉村順三先生
- 建築
DETAIL
ちょっと前に、吉村順三先生が設計した宿に泊まることができた。
構造はRCだが、木造のような佇まい。
軒がとても深く、4尺5寸くらいあるんじゃないだろうか。
水平のラインが風合いよく、周りの自然とうまく調和されている。
あいにくの雨も、それがまたよく似合う。
鎖樋もいい。
室内もまたいい。
のれんの先が洗面室・トイレ・風呂といった水回りになっている。
ホールより2段下がっていてバリアフリー的には指摘があるのかもしれないが、この段差が奥行きもたらし空間に深みを感じさせてくれる。
以前、秋山東一先生設計の別荘を見せていただいたことがあり、そこも段差がうまく使われていて、深く感動したのを思い出した。
鴨居の上端にある開口。
一般の住宅では、垂れ壁で終わってしまうところ。
空気が流れるように設けたのかもしれないが、このちょっとした隙間のおかげで部屋に広がりが増すような感じを受けた。
視線が通るからだろうか。
建具、隙間、垂れ壁、W×Hのバランスがいいからだろうか。
おもしろい。